自己管理してうつ病の症状を疑う|身体から発するサインを見逃さない

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うつ病は症状のあらわれ方により大きく2つの種類に分けられます。抑うつ状態と呼ばれる気分の落ち込みだけが起こるタイプをうつ病、抑うつ状態と躁状態という非常に元気が良くなり何でもできると思い込む症状が両方起こるタイプを双極性障害といいます。ここでは特に前者のうつ病に関する症状について説明します。まずは抑うつ状態に代表される心の症状に関してですが、これにはある程度の個人差があります。その中でも多くの患者さんが抱えているのが、気分の落ち込みや悲壮感、憂鬱さ、絶望感などです。また思考力の低下を訴える方も多くみられ、注意力が散漫になってしまったり、仕事や家事などの能率が落ちてしまう場合や、例え小さなことであっても決断出来なくなってしまうこともあります。更に、これまで夢中になっていた趣味の活動などに対してやる気をなくしてしまう意欲の低下などもうつ病の症状の一つです。中には身だしなみやオシャレなどに無関心になってしまう方や、家族や友人などとの会話がつまらないと感じるようになり、他者との交流を断ち切ってしまう方もいらっしゃいます。これらの症状はいきなり起きるわけではなく、日常では見逃しがちな小さなサインが発せられています。例えば仕事を始めるためにパソコンの電源を入れることが億劫に感じる、スーパーなどに買い物に行った際に何を買うのか決めるのに時間がかかる、性欲の低下を感じる…などというのはうつ病の兆候かもしれません。思い当たる点がある方は早めに医師などの専門家に相談してみましょう。

心と身体の関係

うつ病の症状の中で見逃されがちなのが身体の症状です。例えば、不眠や夜中に何度も目を覚ましてしまう中途覚醒などという睡眠に関する症状もうつ病由来のケースがあります。また食欲不振や食欲増加、疲労感や倦怠感、ホルモンバランスの異常による月経不順や勃起障害などもうつ病の症状として挙げれます。これらの他にも頭痛や胃痛など各所の痛みを訴える方もいらっしゃいます。精神疾患であるうつ病で身体の症状が出る原理は、心配なことがあるときに胃がキリキリしてしまったり、悩みごとがあるときに頭が痛くなってしまうのと同じことで、人間は精神が落ち込むとそれは必ずと言っていい程、身体にも何かしらの症状をもたらすのです。故に、うつ病患者さんの半数以上が最初は精神科等のメンタル関係の病院ではなく、内科や整形外科などといった異なる診療科目を受診しているのです。逆にいえば、身体の症状が内科等で解消されない場合は、一度うつ病を疑ってみる必要があるかもしれません。これらを踏まえた上でうつ病の治療は行われます。抗うつ薬等の精神科薬の服用を中心に、睡眠導入剤や鎮痛剤などといった身体の症状を改善するための薬が処方されます。しかし、特に精神科薬に関しては即効性のあるものばかりではないので、治療には時間がかかります。この時間を少しでも短くするためには、早期発見及び早期治療が要となります。精神科などに行くことに躊躇される方は民間のカウセリングルームなどに行ってみたり、各地域にある精神保健福祉センターなどに相談してみるというのもおすすめです。